一般社団法人子ども未来・スポーツ社会文化研究所

スタッフ紹介

「私たちは子どもたちの未来に心豊かな社会をプレゼントします」

代表理事・所長 杉本 厚夫(すぎもと あつお)
1952年大阪市生まれ、京都教育大学・関西大学名誉教授、博士(学術)筑波大学
 コメント  教育で社会を良くしたいと思い京都教育大学に進学。体育・スポーツにその可能性があると考え、筑波大学大学院に進学。そこで社会学に出会い夢中になった。その後、広島大学に奉職し、社会調査を中心に実証的研究に明け暮れた。京都教育大学に移動してからは、スポーツを文化として捉えることに興味を持ち、最初の著書『スポーツ文化の変容』(世界思想社)を上梓した。この本はその後、出版した『映画に学ぶスポーツ社会学』(世界思想社)に繋がっている。また当時、子どものいじめや犯罪が社会的な問題になる中、エール大学(米国)とロンドン大学(英国)で研究する機会を得て、ライフスタイルの違いにカルチャーショックを受け、子どもの臨床社会学と称して『自分のことは自分でしない』(ナカニシ出版)を上梓した。この本に触発された将来教員志望の学生と一緒に「子ども臨床社会学研究会」を立ち上げ、子どもたちのキャンプを主宰し、研究室を飛び出してフィールドワークによる研究の面白さを知った。その結果は『「かくれんぼ」ができない子どもたち』(ミネルヴァ書房)として刊行した。この間、社会教育委員として、地域が学校を変える現場を目の当たりにして、学社連携の在り方について研究を進めた。関西大学に移ってからは、大阪マラソンに関わり、地域の文化としての市民スポーツの在り方に言及してきた。
 これまで、多くの学生や研究者と出会い、学ぶことの楽しさを知った。この研究所で、さらに多くの人と科学的根拠に基づいた問題解決のための実践的理論の構築を目指したい。  研究実績 編著に『スポーツファンの社会学』(世界思想社)、『体育教育を学ぶ人のために』(世界思想社)、共著に『教育の3C時代』(世界思想社)、『2020東京オリンピック・パラリンピックを社会学する』(創文企画)、『大阪マラソンの挑戦』(創文企画)他。


理事 黒田 勇(くろだ いさむ)
1951年大阪市生まれ、関西大学名誉教授
 コメント  もともと新聞記者を目指し、高校時代に加藤秀俊『見世物からテレビへ』(岩波新書)を読み、加藤秀俊先生のいる京都大学教育学部に進学。入学と同時に大学紛争で加藤先生は京大を退職、学生ストライキのため講義もほとんどなく、仲間と「京大マスコミ研究会」を組織。メディアの研究書や哲学書を読み漁り、またジャーナリストや研究者を招いてシンポジウム等を開催するうちに研究者の道へ。1985年京都大学助手に始まり、神戸女子大学、大阪経済大学を経て1999年から関西大学社会学部で「放送論」を担当。『ラジオ体操の誕生』(青弓社、1999年)でメディアと身体の関わりを扱って以来、スポーツとメディアの関係に研究関心が移る。さらに、2002年W杯日韓大会を契機に、サッカーを中心にスポーツ文化にかかわる評論なども手掛けるようになった。2008年より関西大学体育会サッカー部顧問。
 「メディアとスポーツ」という観点から皆さんのお手伝いができればと思っています。  研究実績 編著に『メディア・スポーツへの招待』(ミネルヴァ書房)、『ワールドカップのメディア学』(大修館書店)、『東アジアにおけるスポーツとメディア』(創文企画)、単著に『メディア スポーツ 20世紀』(関西大学出版会)他。


理事 西山 哲郎(にしやま てつお)
1965年大阪府生まれ、関西大学教授、博士(人間科学)大阪大学
 コメント  日本の大学は、前世紀の終わりから文科省主導の「改革」を受け、大きな変貌を遂げた。「象牙の塔」と揶揄されていたのも今は昔で、大学教員は研究や教育と同じ比重で社会貢献や地域連携を考えるようになった。それ自体は悪いことではないと思うものの、手から口への即効性だけ求められては、人間として本来あるべき知的好奇心が衰えていく心配も出てきてしまう。
 大学が知の世界で特権性を失い、SNSなどでは何の肩書きも必要とせずインフルエンサー(影響力の強い人)が生まれていく。そういう時代であれば、むしろ社会のなかで研究を展開すべきではないか。江戸時代の私塾や西洋近代のサロンのように、互いが互いに知っていることを伝え合い、教え合う場が求められているのではないだろうか。
 知識人ではなく、市井の意見が重要となった今だからこそ、社会全体の知的水準の向上が次代の鍵となるだろう。人工知能が人間に指図する時代が来るのか、それとも人工知能を道具として生活を楽しむ時代になるのか。子どもと子どもに幸せをもたらすべきスポーツに注目する本研究所が、後者の足がかりになることを期待して、ここに参加させていただいた。微力ながら、市井に知の揺籃を育てる試みとして、本研究所に協力したい。  研究実績 単著に『近代スポーツ文化とはなにか』、編著に『身体化するメディア/メディア化する身体』(風塵社)、『科学化する日常の社会学』(世界思想社)、『市民学の挑戦』(梓出版社)、『トヨティズムを生きる』(せりか書房)、共著に『2020東京オリンピック・パラリンピックを社会学する』(創文企画)他。


理事・副所長 津吉 哲士(つよし さとし)
1973年大阪府生まれ、大阪国際大学准教授、博士(健康学)関西大学
大阪府栄養士会スポーツ栄養研究会 役員
 コメント  現在、大学教員として管理栄養士の養成に携わりながら、高校生や大学生を中心としたアスリートへの栄養教育に取り組んでいます。アスリートへの栄養教育には、管理栄養士などの栄養・食に関する専門家やトレーナー、選手の保護者など様々な方が関わっていますが、とくに監督・コーチなどのスポーツ指導者に注目しています。アスリートの食生活に関心を持ち、適切な栄養教育を実施されている指導者がいる一方で、過度に厳格な食事管理により、摂食障害や貧血などアスリートの健康に悪影響を及ぼす指導者の存在も報告されています。このような問題の背景には、体育・スポーツにおける「科学知」と指導者の「経験知」が関わっているのではないかと考え、図書や雑誌の分析、アスリートおよび指導者を対象としたアンケートやインタビュー調査を行っています。
 このような研究に興味をお持ちの方はぜひ一緒に活動しましょう。。  研究実績 ・津吉哲士,杉本厚夫. 体育・スポーツにおける科学知としての「栄養」:明治時代の資料を手がかりにして. 人間健康研究科論集2:23-42,2019
・津吉哲士,杉本厚夫. 指導者によるスポーツ栄養サポートにおける「科学知」,「生活知」,「経験知」に関する研究:陸上競技マガジンの記事を手がかりにして. 年報体育社会学1:29-41,2020


理事・副所長 久保 賢志(くぼ けんじ)
1984年大阪府生まれ、至学館大学助教、博士(健康学)関西大学、専門社会調査士
至学館大学体操競技部 部長兼監督 コメント  13年間の競技生活(体操競技)を終えたあと、新聞社に入社。高校駅伝や高校野球、バレーボール、テニス、アメリカンフットボールなど国内外のアマチュアスポーツイベントの大会運営に10年間従事してきました。プライベートでは、ガンバサポ(Jリーグ『ガンバ大阪』のサポーター)をしています。 アマチュアスポーツ(特に高校や大学)では、TV中継による放映権やスポンサーシップなどを取り入れビジネス化が進んでいます。一方で部活動が教育の範疇に内在しているのも事実です。今後、日本のスポーツ界はどのような方向に舵を取り進んでいくのでしょうか。
スポーツをする、観る、支える、全てを体現してきた自身だからこそ持つ視点や直感を大切にして、政策や指針といった表面的なものだけを捉えるのではなく、本質的な現場の問題や葛藤に着目した研究や活動を進めていきたいと思います。
 スポーツの未来を一緒に考えませんか。
研究実績 久保賢志,杉本厚夫.高校スポーツにおける教育とビジネスの葛藤-新聞記事の内容分析から-.スポーツ産業学研究Vol.28,No.2,177-187,2018
久保賢志,杉本厚夫.高校スポーツイベントのビジネス化における組織の対応に関する研究-インターハイの事例を中心に-.スポーツ産業学研究Vol. 29,No.4,227-238,2019
久保賢志,沖口誠,西山哲郎. 地域のスポーツ文化に資するオリンピアンによるスポーツ教室に関する報告.関西大学人間健康学研究Vol.14,55-62,2021
久保賢志,津吉哲士. 高体連組織に内在するコンフリクトの検証と一考察-陸上競技組織の特性に着目して-. スポーツ産業学研究Vol.32,No.2,229-239,2022


監事 村上 栄(むらかみ さかえ)
1956年神奈川県生まれ、精華町社会教育委員、精華中学校コミュニティ協議会運営委員
元京都府公立中学校長・元京都府山城教育局総括社会教育主事
 コメント  現在、稲作を中心とした農業の個人経営をしています。また、会計年度任用職員として京都府相楽東部広域連合教育委員会生涯学習課において、和束地域学校協働本部の立ち上げと京のまなび教室やスポーツ教室などの社会教育事業の運営を行っています。和束地域学校協働本部では、学校を支援する各種団体や個人の方たちのネットワークづくりを進めています。協働本部の中心的なものとして運営委員会を組織し、学校のニーズと地域の思いを有機的に結び付け、子どもたちの安心・安全な生活ができるように知恵を出し合い協議を深めていくことを目的としています。今現在各団体等で取り組まれていることを大切にしながら、学校や子どもたちが地域社会から温かく包み込まれているような感じを受けられるようにしていきたいと思っています。  
 「子ども未来・スポーツ社会文化研究所」の会員の皆さんといっしょに、子どもたちの未来のために、心豊かな地域が創れることを願っています。  研究実績 平成27・28年度国立教育政策研究所教育課程研究指定:研究主題「地域づくりに主体的に参画する意欲をはぐくむ総合的な学習の時間~地域とつながり・地域を考え・地域に貢献できる生徒の育成~」


主席研究員 谷口 輝世子(たにぐち きよこ)
1971年大阪市生まれ、スポーツライター、米国在住
 コメント 京都教育大学教育学部体育学科に進学し、杉本厚夫先生の指導を受けました。卒業後は、スポーツと報道についてより深く知りたいと思い、デイリースポーツ社に入社。プロ野球担当を経て、98年からは米国に拠点を移し、主にメジャーリーグを取材。現在はフリーランスとして活動しています。
 スター選手たちの取材に夢中になりながらも、ふと感じたスポーツ報道についての疑問を忘れないようにし、現場からのリアルな発信をすることで、よりよいスポーツ環境を探っていきたいと考えています。
 また、米国の学生スポーツ、学校運動部、子どものスポーツを伝えることで、日米のスポーツ・教育現場の「当たり前」を問い、柔軟な発想と創造へむけて、みなさんとつながりたいと願っています。  研究実績 単著に『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)、『なぜ、子どものスポーツを見ていると、力が入るのかー米国発スポーツペアレンティングのすすめ』、『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。共著に『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。
「米国の教員による運動部指導制度の歴史的変遷 : 労働と教育の視点から」日本部活動学会研究紀要 (4), 25-35, 2021-12


主席研究員 速水 徹(はやみ とおる)
1960年大阪市生まれ、立命館大学客員教授、元朝日新聞論説委員、修士(体育学)筑波大学、
筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程体育科学専攻在籍中
 コメント  2021年5月末まで約38年にわたり、朝日新聞社に在籍しておりました。編集局ではスポーツ部と社会部を行ったり来たりの記者生活で、スポーツ部では1992年バルセロナ、96年アトランタ両夏季五輪やアマ・プロ野球、F1などを担当してきました。社会部での事件・遊軍記者を経て、2005年から大阪本社スポーツ部長、スポーツ社説担当の論説委員、和歌山総局長を務めました。2014年からは編集を離れて経営企画室、社長室、知的財産室などで勤務。社のスポーツ事業全般を統括するオリンピック パラリンピック・スポーツ戦略室長などを経て、2020年から社会社説担当として再度、論説委員を務め、二度目の論説での仕事を最後に退社しました。
 「子ども」と「スポーツ」はいずれも、ジャーナリストとして向き合ってきたテーマでした。「子ども」に関しては、社会部遊軍記者時代、学級崩壊などの中、もがく子どもたちと、彼らを見守る親や周辺の人間模様を描いた年間連載「絆 — 子どもたちへ」を担当したほか、「切れる子どもたち」をテーマに、問題行動に走った子どもたちに直接会い、苦しみながら紡いでくれた言葉をもとに、記事を書いてきました。スポーツ部や論説でも、子どもに関わる雑報記事や社説を執筆してまいりました。
 「スポーツ」は、ジャーナリストとしても、また一個人としてもライフワーク的な対象であり、「する・見る・支える・論じる」を絶え間なく続けてきました。仕事の傍ら、2016年から大学院に通い始めたのも、スポーツが生まれた背景を改めて学び直し、近代スポーツの光と影を見つめることで、社会におけるスポーツの意味や価値を問い直してみたい、と考えたからです。
 子どもたちの未来やスポーツの社会的・文化的価値を、研究所における活動で、皆さまとご一緒に考えていきたいと思っております。  研究実績 共著に「やっとお前がわかった— 子どもたちへ」(朝日新聞社、2000年)、「二〇世紀の忘れもの <あした>につづく48の記憶」(つむぎ出版、2000年)他。単著に「人間と世界を洞察する新聞スポーツ記事の視座」(朝日新聞社、「Journalism」〈旧・朝日新聞総合研究センター発行「朝日総研リポート」〉通巻230号、pp.42-51、2009年)、「ブラインドサッカーにおける視覚障害者と晴眼者のコミュニケーションに関する研究」(日本体育学会第68回大会 体育社会学専門領域発表論文集第25号、pp.165-170、2017年)。


主任研究員 三角 さやか(みかど さやか)
健康運動指導士、JAFA ADI、修士(健康学)関西大学、関西大学大学院人間健康研究科博士課程後期課程在籍中
 コメント  フィットネスクラブ・スイミングスクールを運営する会社に就職し、現場で幅広い年齢層のお客様とスポーツを通じて触れ合ってきました。特に、キッズスイミングではジュニア選手の育成に携わり、トレーニング以外の要因が選手のパフォーマンスに関係するのではないか?ということを現場で感じてきました。そこで、学んできたスポーツ科学を学び直す決意をして脱サラ。再度学生に戻って健康・スポーツを学ぶ中で、子どもがスイミングスクールに通うという背景には保護者の意志が関わっているということがわかり、それはスポーツ社会学という分野から見ることが出来ることを知りました。  
 現在はフィットネスクラブ・スイミングスクールというスポーツ指導の現場に身を置きながら現場で発見した問いを、スポーツ社会学で見るとどのようなことが言えるのか。現場と理論を行ったり来たりしながら研究を進めています。
 現場にいると感じる「あるある」がヒントとなり、その現象の向こう側には科学があるかもしれません。現場で感じる「なぜ?」を一緒に研究していきましょう。  研究実績 「文化資本から見た日本のスイミングクラブの歴史的変容」日本スポーツ社会学会第28回大会発表、2019年。
「子どもをスイミングクラブに通わせる保護者の文化資本の再生産」日本スポーツ社会学会第29回大会発表、2020年。


主任研究員 尾島 祥(おじま しょう)
1995年奈良県生まれ、小学校教諭 修士(健康学)関西大学
 コメント 「結果は、ゴミだ!」
 衝撃的なこの言葉から、私の研究は始まりました。この言葉の意味は、映画の感動的なハッピーエンドも試合後の熱いヒーローインタビューも、全てはその結末に至るまでに積み上げてきた物語やプレーが無ければ存在しません。つまり、「結果」よりも「過程」が人々を魅了しているのであり、「結果」だけに目を向けても魅力があまりないということです。
 これを学校教育に置き換えたらどうでしょうか。単元の最後に行う確認テストは、まさに「結果」を見える化したものと言えるでしょう。しかし、「結果」を成績評価の対象とされることによって、苦痛に感じている子どもも少なくありません。時には、それがプレッシャーとなり学校が嫌になる子どももいるでしょう。
 では、「結果」よりも「過程」を重視してみてはどうでしょうか。私は、「遊び」を取り入れた小学校体育の研究を行ってきました。そこでは、ゲームに負けても楽しみながら体育に取り組む、イキイキとした子どもたちの姿がありました。まさに、ゲームに負けても、「過程」を楽しんでいる子どもたちにとって、「結果は、ゴミだ!」なのです。
 このように、「過程」に目を向けるということは、子どもたちが楽しみながら学んでいく学校教育に重要な概念になると考えています。そして、それは子どもたちが通いたいと思う学校になっていくと考えています。
 そんな、子どもたちが通いたいと思う学校について、私たちと一緒に考えてみませんか?  研究実績 ・尾島祥,杉本厚夫.小学校体育授業における遊びの要素の機能の変化に関する研究.人間健康研究科論集2:43-58,2019
「小学校体育授業における発達にともなう遊び要素の変化」日本スポーツ社会学会第29回大会発表、2020年。